こんにちは、北摂パートナーズ行政書士事務所新人のまきちゃんです。ブログ第5弾目も弊所キャラクターブショ―くんの解説のもと学んでいきます。
まきちゃん:
ふー。やっと遺言書ができたね。でもどうしよう死んだあとに開けられるから
だいぶ時間経って存在ごと忘れちゃいそう。私が分からない場所に置いて家族が見つけられるわけないし。
ブショ―くん:
見つけて貰わないと意味ないからね。
という事で今回は出来上がった遺言書をどこに保管するのか、今回は公正証書遺言と自筆遺言に絞って解説していくよ。
まず、公正証書遺言、これは公証役場に電子データとして保管されるよ。
まきちゃん:
専門機関が預かってくれているなら安心だね。でもたどり着くまでが大変そうだしわかんない。
ブショ―くん:
公証役場って聞き馴染み無いし思い付きづらいよね。
実は、公正証書遺言は原則3通作成され、それぞれ保管場所と役割が違うんだ。
① 原本(公証役場から出ない絶対の1冊)
公証人と遺言者、証人がその場でサインした、世界に1冊だけの書類。 万が一、手元の書類を失くしたり、誰かに破られたりしても、公証役場にこの「原本」(2025年10月1日以降は電子データとして)がしっかり保管されているため、遺言が無効になることはありません(通常遺言者が120歳までになるまでの期間保管されます)。
② 正本(手続きのための強力な1冊)
原本の持ち出しができないため、代わりに「これを持って手続きをしてください」と公証役場から発行される公式な書類。末尾に「これは正本である」という公証人の証明文が入っている。 相続が起きた後、銀行や法務局に出すと、一番スムーズに手続きが進む「本番用」の書類(2025年10月1日以降は嘱託人(=遺言者)の請求により書面で出力することに変更)。
③ 謄本(内容確認・バックアップ用の1冊)
正本と同じく原本の写しですが、こちらは「内容のコピー」という意味合いが強いものです。こちらも末尾に「これは謄本である」という証明が入っている。 「正本と謄本、どっちでも相続手続きに使えるの?」という疑問がよくあるけど、遺言の場合は実務上はどちらを使っても銀行の解約や不動産の名義変更(登記)が可能。
まきちゃん:
3つあるなら持ってる人も分けられるね。
ブショ―くん:
正本と謄本は写しで自宅とかに保管だから正本は遺言執行者(実際に遺言内容実現のため手続きを行う人)、謄本は、遺言者本人が持っておくことが多いかな。
まきちゃん:
手元に二つあると手続きのための提出が同時に出来るね。
ブショ―くん:
複数の銀行解約とか不動産の名義変更とかね。
まきちゃん:
どこに置くのが一番見つかりやすいんだろ
ブショ―くん:
一番は、相続人になるだろう人に遺言があることを伝えておいて信頼できる人(遺言執行者)に保管して貰う方が心配は減るかな。貸金庫は、相続が発生すると手続きをふまないと開けられなくなるから、避けた方がいいね。
まきちゃん:
公正証書遺言は亡くなった後どんな手続きをするの?
ブショ―くん:
遺言完成から順に説明するね。
1公正証書遺言完成
>正本と謄本が渡される。
2保管期間
・原本→公証役場保管 (120歳まで)
・正本⇒ 自宅等保管
・謄本⇒ 自宅等保管
3亡くなった後
正本と謄本が手元にある場合
→相続手続へ 銀行解約、不動産登記
正本と謄本が手元にない場合
→公証役場で公正証書遺言を検索する。→謄本を原本が保管されている公証役場に交付請求 (手数料あり)→謄本の受領
→相続手続へ 銀行解約、不動産登記
まきちゃん:
正本と謄本が手元にあればすごいスムーズにいけるんだね
ブショ―くん:
これが公正証書遺言の一番のメリット!3つ(手元に2つ)あるから失くしても手数料はかかるけど再発行して貰えるし。
最初に公証役場に手数料数万〜十数万(財産額によって異なる)を払ってるからね。セキュリティはバッチリだ。
まきちゃん:
交付請求(再発行)はいくらぐらいなの?
ブショ―くん:
遺言書がどれくらいの枚数になるかによるけれど、ふつうは2,000円前後になるよ。
郵便でとりよせることも出来て、この場合郵送費が別途かかる。
まきちゃん:
なるほど全体のイメージがつかめてきたわ。
でもやっぱめんどくさそう。遺言執行者大変すぎるし責任重すぎるやん。
ブショ―くん:
遺言執行者を専門家に委託することも出来るよ例えばウチの事務所とかね。
ブショ―くん:
次は自筆証書遺言、自宅等か法務局のどちらかに保管するよ。
こちらは原本が一個しかないので分かりやすいとこに置くことで存在を相続人に周知しておくこと!
まきちゃん:
確かに見つけて貰わなかったら意味がないものね。
ブショ―くん:
他に複数あると混乱しちゃうから古いの物は破棄しておいた方が良いね。
封筒に封印(※ノリ付けしてハンコが押してある状態)されているときは、絶対に自分で開けちゃダメだよ 。家庭裁判所で検認を受けなきゃならないから注意。勝手に開封したら5万円以下の過料がかかる場合があるよ。ただし、勝手に開封したとしても遺言内容自体が無効になるわけではないよ。
まきちゃん:
家庭裁判所で検認(けんにん)?何それ?
ブショ―くん:
検認って言うのは、相続人(残された家族)に対して遺言書の今の状態を明確にして変造とかをされないように防ぐための証拠保全の手続きの事だよ。
まきちゃん:
例えばどんなとこみるの?
ブショ―くん:
どんな紙に何色でどんな筆記具で書いているのか、日付と署名はちゃんとあるか書き足したり、訂正したところは無いか、どんな内容だったかといった「現在の状態」をくまなくチェックして記録に残すんだ。
まきちゃん:
じゃあその場で法的に有効な遺言書か分かるわけだ。
ブショ―くん:
いやそこまではしてくれない。
まきちゃん:
えっ?
ブショ―くん:
うん。家庭裁判所はあくまで「この遺言書が確かに存在しました」ということを確認して、第三者が勝手に書き換えるのを防ぐ証人(ストッパー)のような役割だからね。遺言書の内容が本当に法的に有効かどうか(遺言者の意思が本物か、内容に無理がないかなど)を判断する場所ではないんだよ。 それを知りたかったら専門家に頼まないとね。
まきちゃん:
じゃあ、検認が終わったあとはどうするの?
ブショ―くん:
検認が終わると「検認済証明書」というものがもらえるから、それを使ってようやく銀行の口座名義を変更したり、不動産の手続きが進められるようになるんだ。だから、面倒でも絶対に飛ばせない大事なステップなんだよ。
でもね法務局に保管してたら面倒な検認をスキップ出来ちゃうんだ。
まきちゃん:
え、本当!? そんなのあるなら早く教えてよ!
ブショ―くん:
自分で書いた遺言書(自筆証書遺言)を、事前に法務局に預けて保管してもらう制度があるんだよ。これを利用しておくと、なんと死後の検認が不要になるんだ。
まきちゃん:
おーそれは有難い。自分が知ってても残された家族が検認が必要な事知らない可能性もあるわけだし。最初から不要にしておけるなら安心だね。
ブショ―くん:
まさにその通り! 家族の手間をグッと減らせるのが最大のメリットだね。検認は不要だけれど、「遺言書情報証明書」の発行を受けるためにはそれなりの手順を踏まなきゃ、だけどね。 それと保管手数料が必要だね。
まきちゃん:
いくらなの?
ブショ―くん:
遺言書1通につき 現行3900円。
まきちゃん:
結構安くて良心的なんだね。
ブショ―くん:
自分で書いた遺言書で面倒な手続きしなくていいし、紛失や改ざんのリスクを減らせるから人気なんだ。
まきちゃん:
保管の手続きするときに持ってかないといけないものはある?
ブショ―くん:
自筆の遺言書、申請書、住民票、顔写真付きの身分証明書が必要だよ。やっぱ本人確認しないといけないからね。あと遺言書に押した印鑑と同じ印鑑を念のため持参するよう促されるかな。申請書に通知先を指定していれば、亡くなった後に、「自筆の遺言書を法務局で預かってますよ」という通知をしてくれるから、家族も遺言書があることに気づきやすいよね。
法務局は、遺言書の形式が整っていることは見てくれるけど、内容自体が有効か無効かは見てくれないのは自宅等保管の自筆遺言書と同じなので注意が必要だよ。
まとめ
決まった場所に安全に保管する
遺言書は作っただけで終わりにせず、適切な場所に預けましょう。
費用や手続き(検認)の手間を比較して選ぶ
保管方法によって、費用がかかるものや、死後に「検認」の手続きが必要なものがあります。それぞれの違いを比較検討して選びましょう。
家族にあらかじめ伝えておくかは思案のしどころ
せっかくの遺言書も、気づかれなければ意味がありません。「遺言書があること」「どこにあるか」「手続きはどうするか」を家族に伝えておくのが無難ですが、家族関係が状況によってあえて伝えないことが正解である場合もあります。ここは思案のしどころです。
| 公正証書遺言 | 自筆証書遺言(自宅保管) | 自筆証書遺言(法務局保管) | |
| 保管場所 | 公証役場 | 自宅等 | 法務局 |
| 初期費用 | 必要(財産額、記載内容によって異なる) | 不要 | 保管手数料が必要(現行3,900円) |
| 相続発生後 | 検認不要 | 検認必要検認前に開けると過料の可能性 | 検認不要 |
せっかく用意した遺言書。でも実は、「ただ書いただけで安心」していると、死後に家族が激しく揉めてしまうケースもあります。
法的な強制力がはたらく遺言書にも、実は意外な「限界」があるのです。
そこで次回は、 「遺言書があっても揉める?遺言書の限界と、トラブルを未然に防ぐ補完方法」 について詳しくお伝えします。
家族にしっかり想いを届けるための大切なポイントをまとめましたので、どうぞお楽しみに!




