Case対応事例
飼い犬の行く末が気になる依頼主
余命宣告された依頼主様が、飼い犬の行く末を心配していて…
相談者:Aさん(80代女性、京都在住)
Aさんは京都で一人暮らし。動物との触れ合いで人々の心を癒す「アニマルセラピー」の存在を知って、3年前からシーズー犬を飼っています。大きな病気もせずに健康的な生活を送ってたAさんですが、1か月ほど前から体調を崩し気味。先日、病院で受けた検査の結果、大病が見つかり余命宣告を受けてしまい…。
年齢も年齢だからと、ご自身の運命を受け入れたAさんでしたが、遺された飼い犬の件だけが心残りでした。そこで友人の紹介で、当事務所に相談に来られました。
ペットについて生前にできることにはどのようなことがありますか?
ペットは法律上「動産」として取り扱われます。「動産」とは「不動産」を除く有体物全般を指し、代表的には家財家具がそれにあたります。この「動産」としてのペットの取り扱いには大きく分けて2つあります。1つはペット信託を活用することです。ペット信託とは、飼い主に万が一のことがあった場合に備えて、信頼できる「人」や「団体」にペットの世話を託す手法です。ペットを信託財産として家族や信託会社に信託し、飼養費用も捻出できる仕組みをつくり、ペットの面倒を見る人や団体にペットの終生飼養を託すやり方です。
ペット信託の内容次第では、ペットがどのような環境で面倒を見られるかがわからない場合もあるため、飼い主の意に沿うかどうかを考慮する必要があります。
もう1つは遺言で信頼できる親族や知り合いに託すという方法です。こちらは信頼できる個人や団体がいるという前提になりますが、適切な飼養が期待できる場合に有効です。遺言のなかで誰に行く末を任せるのかを記し、必要な財産を遺すことを明記します。これを負担付遺贈と言い、ペットの面倒を見る代わりに財産を相続するという条件を付けることができます。遺言とあわせて「死後事務委任契約」を結びペットの処遇事務について記すことも有用だと考えます。
信頼できる人がいる場合には、遺言で示すことが有効そうですね
はい、その通りです。ただ信頼できる人がいる場合は良いのですが、実際の相談者からは信頼できる人がおらず、どうしたらいいか分からないという声も耳にします。また、この場合託される人の気が変わり、「やっぱりやめた」と拒否されたとしてもこれをとどめる術がないという難点があります。
以上述べましたようにいずれも一長一短があるため、それぞれのご事情に応じて対応する必要があります。当事務所では提携している保護団体があるため、安心してペットの行く末を任せられる先の紹介が可能です。私自身が「動物共生団体」の副代表として運営に携わっていますので、信用できる保護団体をご案内できるものと自負しています。
それは安心ですね。ペット信託と遺言の双方のメリットが得られるような仕組みですね
おっしゃる通りです。当事務所では保護団体と協力して、ペットの譲渡会を行うなどしており、ペット相続の事情についても精通しております。ペットの行く末が気になる方は、是非、当事務所までご相談ください。